札幌南青洲病院 看護部

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2016年12月

朝ドラ「べっぴんさん」に見るドラッカー

注!ネタバレありです。年末年始にまとめて見ようと思っている方ご注意ください。

私は「あまちゃん」の頃から、朝の連続ドラマを録画して夜見るのを楽しみにしています。
夕ご飯を食べながら、15分という時間が、ちょうどいい気分転換になっています。

「まれ」「マッサン」「あさがきた」「ととねえちゃん」。
どれも仕事での苦難と成功が物語の軸になっていて、主人公は好きなこと、得意なことを仕事にして突き進んでいきます。

物語の展開とともに、「強みを活かす」「意思決定」「貢献」「時間管理」「集中」「イノベーション」など、ピーター・ドラッカーのキーワードを思い浮かべて見るようになりました。

「べっぴんさん」の主人公、すみれの夫ノリオさんは戦争から戻ってきて「坂東営業部」(という名前の会社)の社長にならんとしていました。それはすみれの婿養子だったからで、好きとか得意とかいうことよりも、「そう決まっていたから」でした。

苦手なことを克服する?

子供のころからなにを考えているかわからず、口数が少なかったノリオさんですが、社長になるためには、人前でしゃべったり、接待では道化役をしたりということに慣れなきゃいけません。「坂東営業部」で実質的な経営者である、義姉の夫のキヨシさんから、社長になるために様々な役割を与えられます。

しかし人前でしゃべることが苦手なノリオさんは、大事な時に体調を壊したりして、どうにもうまくいきません。
ノリオさんはあまり人前に出ず、会社の中で黙々と経理の仕事をしている方が得意なのです。

一方キヨシさんは、ノリオさんを立てて、自分は参謀役になろうとしていたのですが、ノリオさんが思うようにいかないのを見ていて内心歯がゆく思っていました。

好きなこと、得意なことに集中する

上手くできないこと、好きではないことを克服しようと頑張ることは悪いことではありません。が、そこに時間をかけるよりも、得意なことや好きなことをした方が、楽しいし、成果も上がります。

ノリオさんは自分が社長という立場に不向きだと言うことを知っていました。
周りの人も薄々そう思っていましたが、養子だから、会社を継がなきゃならない、という時代だったのでしょう。
苦手克服の無理をすることで、緊張と圧迫に輪をかけました。

12月24日土曜日の放送でようやくノリオさんが勇気を出して、坂東営業部を辞めることになりました。ちょうど主人公すみれの会社で経理の人が必要だった、というあたりは都合がいいようにも思いますが、まあドラマですのでご愛嬌。
よい機会を得て、得意なことに集中する。
人の役に立ち、貢献する。
ノリオさんの人生が変わり始めます。

そしてキヨシさんはいよいよ自分の番がやってきた、というところでしょう。
これで気兼ねなく自分で会社の舵取りをできる。
こちらの商売もうまく行く予感がします。

強みを活かす

ドラッカーの本には様々な名言がありますが、中でも私はこのコトバが大好きです。
自分と人の強みを発見し、いいコト、いいトコロを探すことを続け、楽しく仕事ができる環境を作りたいと思います。

今年も一年お世話になりました。
皆様どうぞよいお年をお迎えくださいませ。

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O画伯のウエルカムボードも当院の強みのひとつ

病院で行うグリーフ(悲嘆)ケア~大切なご家族を亡くした悲しみに寄り添うことについて~

当院では大切なご家族を亡くされたご遺族にお手紙をお送りし、「ひだまりの会」「こもれびの会」という遺族会・慰霊祭を催しています。

私も今年着任したばかりなのでいずれも初めて参加したのですが、きっとご遺族の方も「何をするんだろう」と思いながら病院に来られたと思います。
詳しくは院長ブログやひだまりブログにも書かれていますのでこちらをお読みいただくとして・・

http://minamiseishu.com/incho_blog/?p=1046

具体的には、病院の会議室を会場に、院長の挨拶とグリーフケアについてのお話を聞いていただき、そのあと黙とう・献花と続きます。フルートとピアノの生演奏が6曲ほど続いたあと終了となりました。その後茶話会を用意していましたので、十数名の方が職員と想い出を語り合うことができました。

11月に行われた慰霊祭「こもれびの会」に参加されたご家族の方々からアンケートが寄せられました。
私どもの開催した会合が、はたして心の安寧に役立ったのか、もっとよくするためにほかにできることはないか?とのご意見を頂戴するためのものでした。

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少し抜粋して紹介させていただくと・・
50名ほどの出席者の中で回答を寄せて頂いたのは30名弱、日時・場所・プログラムについてはおおむね「よかった」との回答をいただきました。

とくにフルートとピアノの生演奏については「心に沁みた」「音楽を通していろいろな思いが込み上げてきて涙が出た」「心が洗われるような演奏だった」という回答がたくさん寄せられました。

フルート奏者の方はご遺族でもあり、同じ立場でありながら音楽で人の心を癒そうとする様に、親密感と共にいたわる思いがひしひしと伝わってきました。音楽は言葉を尽くすよりもダイレクトに心に届くものですね。

悲しみの段階は人それぞれで、慰霊祭のご案内が送られてくることで悲しみを蘇らすことがあることを私たちは知っています。遺族会や慰霊祭は「行かなきゃならないもの」ではないので、来て下さった方たちは時間を作り、心構えをして、勇気を振り絞って来られたと考えて、私どもはお迎えしていました。

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「実は案内が来るたびに立ち直れず、時間が止まっているようでまだ深い悲しみに落ちていました。11/5勇気を出して参加してみてとてもよかったと思いました。なぜならアンケートを手にしても、落ち込みがなかった」と客観的に振り返ることが出来た方もいらっしゃいました。

「院長先生のお話にもあったように、悲しみやさびしさ、怒りの気持ちがありました。時間の経過とともに寂しさ、懐かしさ、後悔などいろいろな感情がわいてきます。でも慰霊祭に参加して、自分一人が経験しているわけじゃない、医療スタッフの方も亡くなった人のことを忘れたわけではないとわかってよかったです。参加者が心ひとつになって慰霊の気持ちを持つ時を共有できてとてもよかったです」

「病院で慰霊祭というのは普通のことなのか?初めてのことでわからなかったのですが、今回遺族という立場で思うことは死にゆく人に対してどういう心構えが必要なのか、遺されたものがどう受け止めたらいいのかをもっと知っておくべきだったと思いますし、学べたらいいなと思いました。院長先生のお話「グリーフの段階」は自分を客観視できてよかったです」

「仕事中の看護師さんが、白衣姿で献花に参加してくださり、感謝の気持ちでいっぱいです」

「慰霊祭で心に一区切りがつきました。前へ進むことができそうです」

 

など、さまざまなご意見をいただきました。
今年の札幌は異例の早い雪で、11月5日もべちゃべちゃの雨雪の日でした。
荒天にもかかわらずおいで下さった皆様、そしてアンケートをお寄せ下さりありがとうございました。
職員みんなで共有し、ご意見を参考にしていこうと思います。

 

畑にまつわるSTORY

この春から、私がお世話になった方に病院の玄関前の花壇のプロデュースをお願いしました。
なでしこ、マリーゴールド、カサブランカ、バラに朝顔、ダリア・・春から秋まで次々に花が咲くような仕掛けになっていて、飽きることがありません。
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欲が出て、病院脇の植え込みもきれいに整えて土を入れ、小さな菜園を作りました。
ししとう、ピーマン、ミニトマトなどを一株ずつ植えて野菜もたくさん収穫できました。

おかげで花壇や菜園を毎日楽しみにしてくださる方が増えました。
草取りなどをしていると、患者さんもご家族の方も、よく声をかけてくださいます。

「今は闘病中だけど、以前は家でたくさん野菜を作っていたんだ。キュウリやトマトがたくさんなって、近所に配って歩いたもんだよ」
「バラはよく観察して、虫や病気に気を付けるんだよ」
経験をもった方の一家言は学びになります。
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夏の終わりの昼下がり、一人のナースがじいっと花壇をみつめて言いました。
「部長がよく話しているのは、この花壇のことだったんですね。いつも出勤の時に通るのに、私はよく見もしないで通り過ぎてました。」
「そう、今は朝顔が見ごろだよ。ときどき立ち止まってみてごらん」
そんな会話をしました。
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彼女はしばらくの間、佇んでじっと花壇を見入っていました。
そしてこんな話を聞かせてくれました。

「○さんは毎日ミニトマトのところに車いすでお散歩に行ってました。日課だったんです。ある日のお食事にトマトがついてて、それがこの菜園で採れたものだと知って、○さん、お膳を見た瞬間号泣していました。笑い泣きしてトマトを食べたんです。毎日トマトの成長を楽しみにしていたけど、まさかご自分の食卓に載るとは思っていらっしゃらなかったんでしょうね。とても感激していらっしゃいました。」

生命の火を燃やし続けながら、野菜の成長と収穫を喜んでくださった○さん。
そしてそのことを私に伝えてくれるナースの感性。
そのナースはひととき、○さんの目になって菜園を眺め、そこで○さんは一体何を見て感じていたのだろうと、追体験しているかのようでした。
ありきたりなコトバでは表現しきれない思いがそのナースからにじみ出ていました。
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花も野菜も素人で、教えていただきながらの1年でした。
水や肥料、草むしり。日々観察し必要な手入れをするのは人を育てることにも通じ、ケアそのものでもありました。
一緒に活動してくれた仲間と、先日「畑の反省会」をランチョン会議で行いました。

患者さん・ご家族・職員同士のさまざまなコミュニケーションが生まれました。
野菜を収穫し、みんなで分け合っていただく喜びも感じました。
花や野菜を育てる、という新しい知識への喜びもありました。
単純に「花壇で患者さんに和んでもらえたら」という動機が、大きな成果につながりました。
ドラッカーの言葉で言うと「予期せぬ成功」の畑でした。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
来年も楽しく畑、やります♫

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来年は、イチゴがなります♫

どんな手帳を使っていますか?

暮れの声を聴くころ、手帳のセミナーに行くことにしています。
きっかけは2年前、ドラッカーを学ぶ仲間から教えてもらいました。
そのころ私は手帳を使わず、スケジュール管理はYAHOOカレンダーで足りていました。

どこでも入力できるので重宝していました。のですが。

仲間から教わった手帳は「マンダラ手帳」http://www.myhou.co.jp/というもので、スケジュール管理もあるけれど、人生をどのように生きるか、を考える手帳だと言われて興味をもちました。
初心者は誰かに使い方をナビゲートしてもらった方がいいと言われ、それでセミナーに出かけることにしました。

そこではいくつかの質問を投げかけられました。

まずウィッシュリストを書く。なんでもいい。来年やりたい、と思っていることをとにかく思いつくままに書き出す。
どんな小さなことでもいい。3㌔痩せるとか、旅行に行くとか。月に一度外食をするとか。

たしか100行くらいあって、私は20個くらいしか書けないのに、周りの人は50も60もすらすらと書いていたように見えました。
そのあと、書いたウィッシュリストを8つに分類して蛍光ペンで色を塗ります。
分類は、「健康」「仕事」「お金」「家族」「社会」「人格」「学習」「遊び」の8項目になっていて、それぞれに自分で色を決めて下さいと先生に言われました。

「健康」は緑のイメージ。

「仕事」は気持ちがアガルようにピンクだな。

「お金」はいつもピーピーだから赤。

こんな感じで色を決めました。そして自分のウィッシュリストを1行ずつ分類していきました。
塗りながら気づきました。
私、ほぼピンク(仕事)の項目しかない・・・。

 

そのころはすべてが仕事中心でした。家に帰っても休みの日も。
週末は常に仕事を持ち帰り、何もしないまままた資料を職場に月曜日戻し、休んだ気もしないまま疲労だけが折り重なっていました。自分自身のセルフマネジメントがさっぱりできてなかったし、休みの日もON/OFFの切り替えができていませんでした。

 

手帳にはそのウィッシュリストを月に分けて実践行動として書き入れていきます。
月を書いたら今度は週の行動計画に落とし込みます。
計画通りに実行できたらチェックを入れます。実行したけどまだ終了していないものは翌週の計画に入れます。

毎週曜日を決めて、今週一週間のフィードバックと、翌週の行動計画を立てることを習慣化します。
私の場合大体日曜日の午後にカフェにこもってこの作業をします。

これがマンダラ手帳のだいたいのあらましです。

 

先生から月間の計画を立てるときに、

「今は仕事のことで一杯でも、月に一度でも「遊び」を意識的にいれましょう」
「8項目の色が必ず月のどこかに入っているようにしましょう」

と言われました。

そのころは「遊び」=オレンジ色 はほとんどなかったのですが、徐々に意識して「コンサートに行く」と書き入れました。書いて、オレンジ色を塗ると、それは楽しみな出来事としてインプットされるので、その日までにこの仕事を終わらせよう、とか、このときはすべてを忘れてうんと楽しもう、とか気構えが変わってくるのです。

それまでは「○○さんと食事」と書いても、それはその時間食事をする、ということの意味しかなかったのだけれど、オレンジ色を塗ることで「○○さんと会ってご飯を食べよう。どこで食べよう。何を話そう」と考えることが、とても楽しみになりました。

 

今年3年目になるその手帳に、今、来年の計画を書き出しています。
なんというか、今のウィッシュリストは感覚的にオレンジ(遊び)の方が多いかも知れません。
オレンジ(遊び)をたくさんするためにピンク(仕事)をしっかりやるよ、という気持で働いています。
というか、仕事も遊びもいっしょくたな感じかも知れません。

 

余白には気づいたこと、誰かが言ったいい言葉、胸が熱くなるような出来事を、なるべくすぐ書き留めることにしています。

自分に合ったいい手帳を使い、実践行動に移す、行動した結果をフィードバックすることは、時間管理になります。
私は「マンダラ手帳」を使うようになって3年、まだまだ修正の余地がたくさんあるけれど、人生の豊かさや密度の濃さは全然以前とは違うと感じています。いろいろな角度から人生を眺め、計画する思考が身に付くと、手帳の形にこだわらないような気もします。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
今年もあともう少しですね。

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右が来年の手帳。赤にしてみました。